番外編と呼ぶには完成度が…
あまりにも高すぎるでしょう(苦笑) 池波作品は何度読み返しても飽きがこないのが一つの特徴ですが、それにしてもこの黒白は特に面白すぎます…何度読み返したかなあ? さてさて、多くのファンの小兵衛のイメージは、中村又五郎か藤田まこと…マニアックな向きには山形勲(笑) 何れにせよ、若き日の小兵衛をイメージできる俳優がいない以上、悲しいかな映像化する事が殆んど不可能、というのが本作品の唯一の欠点でしょうか… 「それ故に小説としての自立性を保てている」と考えれば、逆にファンには幸いかも、ですね。
池波文学のひとつの頂点か
剣客商売番外編との位置づけだが、本シリーズを読んでいなくても
十分に堪能できる。二人の剣客、波切八郎と秋山小兵衛。ともに求道する
真摯な剣客でありながら、わずかな運命の歯車が八郎の人生を大きく狂わせ
て行く。このあたりの『人生一寸先は闇』という無常観ともいうべき流れは
仕掛人藤枝梅安にも通じるところがある。
独特の言い回しとテンポの文章は、池波文学のひとつの完成形とも呼べる
見事なもので、まるで作者本人に語り聞かされているような錯覚を覚え、
一度読み出したら本書が手放せなくなってしまうほど。
お家騒動や討ち入りといった大掛かりな話ではなく、二人の剣客の生き様を
静かに描いた本書は、しかしながら時代小説の傑作のひとつといっていい
だろう。
「剣客商売」フアン必須の作品
面白かったですねぇ。実に。
ご存知池波正太郎の人気シリーズ「剣客商売」の番外編と銘打たれた作品。
しかし、これは番外と言うのかなぁ。正直なところ、「剣客商売」の作品群を味わうのに必須の作品です。
この作品で、私達は初めて、後の「剣客商売」を彩る秋山父子とその周囲の人びとの今に至る関係の深さ
を知る事ができます。なにせ番外編と言いながら、物語としての時期は本来の「剣客商売」をさかのぼる
事、20数年。だから、時系列的には本編シリーズの前に位置づけられるものです。
ただ、だからといって、本来の「剣客商売」シリーズの前に読むべきかと言うと、それは難しい。
やはり、本編は本編としてその「前」にあった出来事を、包含し、見え隠しさせながら進むところがまた
よろしい。
その意味では、本来の「剣客商売」を数冊。第6,7巻くらいまで読み進んだところで、ちょっと箸休め
的に手に取るのがいいのではないだろうか。そして、また本来の「剣客商売」に立ち戻る。解説の常盤新
平さんのようにもう一度第1巻から手に取るもよし。途中で手を止めた、巻の続きからでもよし。
いずれにしても、この番外編を手に取る前と後とでは、「剣客商売」の面白さが違う。そう言う気がしま
す。
番外と言いながら、シリーズフアンにとっては必須の作品と言えるでしょう。
若き日の小兵衛
秋山小兵衛の若き日(大治郎が生まれる前)のことを書いているので、番外編。 ここでは小兵衛がいわば準主役で、かつて御前試合で対戦した波切八郎が主人公といったところか。 二年後に真剣勝負を約束した二人。ところが、江戸の剣客として地味ながら着実に地歩を固めていく小兵衛に対して、八郎は運命のいたずらから剣客の「裏道」を歩かざるを得なくなってしまう。 最後に顔をあわせたとき、二人は表と裏、あるいは黒白として対峙することになる。 作者はこの二人の剣客を描くことにより、人の運命の危うさ、もろさを示しているように思われる。 個人的には、まだちょっと「青臭い」小兵衛が、かわいらしくって好きです。
新潮社
黒白 下巻 新装版 新潮文庫 い 17-18 剣客商売 番外編 ないしょないしょ―剣客商売番外編 (新潮文庫) 浮沈 (新潮文庫―剣客商売) 二十番斬り (新潮文庫―剣客商売) 暗殺者 (新潮文庫―剣客商売)
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